会社からは結果を求められますが、その結果を出すためには上司一人だけが頑張っても到底無理です。
そこには部下の力が必要であり、チームとして同じ方向に進まなければなりません。
ここで難しいのが「部下のモチベーション」です。
正社員、派遣社員、アルバイト、パートなど、それぞれで働き方も違えば仕事に対する意識も変わってきます。
だからこそ上司であるあなたには部下のマネジメントを求められるのです。
部下一人一人には個性があり、考え方も違う中で、全体的な目標や指示出しでは全員に伝わりません。
売上が悪いからといって厳しくするだけでは逆効果です。
そこで今回は、部下のモチベーションを上げるために実際に効果があった方法の手順をお伝えしますので、部下のモチベーションでお悩みの方は参考にしてみてください。
部下のモチベーションを上げるための行動手順
ここでは、私が実際に部下のモチベーションを上げるために行っていた行動手順をお伝えします。
①ヒアリング(1回目)
部下のモチベーションを上げるためにまず初めに取り組むことは、部下一人一人へのヒアリングです。
なぜ初めにヒアリングを行うかについては、部下のことを知らない状態で指示を出すよりも、部下の特徴を把握した上で指示を出した方が効率も良く、短期間でいい結果が出やすいと考えているからです。
私はヒアリングで必ず聞くことがあります。それは「部下が仕事をする上で何を重要視しているのか?」です。
給料
◆多くのお金を稼ぎたい
休み
◆連休はしっかり取りたい
将来性
◆上の役職を目指したい
部下からこのようなことが聞けたら、ここから深掘りしていきます。
給料
◆多くのお金を稼ぎたい
ココがポイント
この部下の場合、単純に多くのお金がもらいたいのではなく、好きなキャンプをもっと充実させるために車が欲しいということが分かりました。
休み
◆連休はしっかり取りたい
ココがポイント
この部下の場合、旅行が好きでそのために仕事を頑張るのが分かります。しっかりと休みを与えることによって仕事へのモチベーションを上げることができるかもしれません。
将来性
◆上の役職を目指したい
ココがポイント
この部下は上の役職に就くことを目指しており、給料や休みよりも優先事項が会社の評価です。どのような仕事の取り組み方が会社への評価と繋がるのかなど、評価される方法を伝えることでモチベーションを上げて取り組んでくれると思います。
このように働く上で重要視していることは人それぞれ違います。
そこを知らないまま、休みを重要視している部下に「今月は忙しい月なんで休みは少なくしてます。でもその分出勤日数は増えるから稼げるよ!」と伝えてもモチベーションは上がりません。
まずは「部下が仕事をする上で何を重要視しているのか?」についてヒアリングしてみてください。
②目標設定(1回目)
部下一人一人に対してヒアリングを終えたら、次は一人一人に対しての目標設定を行います。
ですがその前に、店舗として全員で目指すべき目標を伝えます。そこがはっきりしないと各自目指すところがバラバラになり、まとまりません。
店舗目標 【月売上2,000万 前年比130%】
このように店舗目標を伝えたら、部下一人一人に合わせた目標設定を行います。
短期、長期など期間を設けることで目標設定も変わってきます。
目標設定を行う理由は部下のモチベーションを上げるためです。ここを忘れて「部下の目標設定はしっかり行なっていますので大丈夫です」とそれだけで仕事をした気になり、「自分は仕事しています」と自信満々に報告する人もいますので気をつけてください。
会社によっては日頃の売上額に応じてボーナスが上がったり、予算達成でインセンティブがついたりする場合があります。このような場合は目標と結びつけて部下のモチベーションを上げていきましょう。
仮に「月の個人売上300万達成でインセンティブがつく」という場合は300万円から逆算していきます。
〈月予算300万目標〉 出勤日数20日(平日14日、土日6日) 平日売上12万×14日=168万 土日売上22万×6日=132万 お店の平均客単価2万とすると 平日売上12万を取るには12万÷2万=6客 土日売上22万を取るには22万÷2万=11客
など、なるべく細かい数字に落とし込んで伝えてあげてください。
そして目標達成後のプラスなイメージも伝えます。そのイメージも上記でお伝えしたヒアリングでの答えに当てはめることでモチベーションを上げていきます。
◆「インセンティブがしっかり取れていったら、四駆に乗る日も近づいてくるね!」
◆「インセンティブがしっかり取れていったら、旅行先でのホテルや料理のグレードを上げることができるね!」
◆「インセンティブがしっかり取れていったら、会社の評価も上がって、役職がつく日も早くなりそうだね!」
◉こちらの記事では目標設定についてお伝えしています!店長に必要なスキルのことも合わせてご覧ください!
店長に必要なスキル5選!【お店の売上は店長の力量で変わる!】
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③承認欲求
目標設定後には部下が決められた目標に対してどのように行動をしているのかを見ましょう。
ココがポイント
部下は上司がちゃんと自分のことを見てくれていると感じることで承認欲求が満たされます。
ではなく、時には指導したり、アドバイスを送ったり、一緒になって売上を取りに行く姿勢が部下との信頼関係を築いていくことに繋がります。
目標に対してしっかりと結果を出し、モチベーションが上がっている部下もいれば、中々結果を出せずにモチベーションが下がっている部下もいます。
そんな時は上司であるあなたが、結果を出そうとしている部下の行動に対して良かった部分を褒めることで部下は自分の成長を感じることができるのです。
そうすれば、例え結果は出ていなくとも「また明日から頑張ろう!」とモチベーションを上げて仕事に取り組んでくれます。
「上司に認められたい」「周りのみんなに認められたい」という気持ちは誰しもありますので、積極的にコミュニケーションを図り、モチベーションアップへと繋げていきましょう。
◉部下の承認欲求を満たす上で「褒める」ことは重要です。こちらの記事では「具体的な褒め方」についてお伝えしています!
部下の指導で心がける【3つの褒め方】
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④ヒアリング(2回目)
1回目のヒアリングでは、部下のことをよく知ることと、仕事をする上で何を重要視しているのか?についてヒアリングを行いました。
2回目は、週の終わり(日曜日)に1週間の振り返りをするためにヒアリングを行います。
ここでは、目標に対しての取り組む姿勢などを確認するためでもあり、職場環境や周りとの人間関係についてもヒアリングします。
ココに注意
目標に対しての振り返りがなければ、何が良くて何が悪かったのかを把握しないまま、来週も同じことを繰り返す可能性が高いです。ヒアリングしながら部下に考えさせる癖をつけましょう。
周りの人間関係など難しいところも、1週間を通してあなたが真剣に部下と接していれば部下も本音で話してくれます。
どれだけ売上が取れている部下でも、周りとの人間関係が良くなければモチベーションを上げることはできません。
ココがポイント
上司であるあなたの仕事は、部下たちがお客様への対応に専念できる環境を作り、みんなで助け合えるチーム運営を行うことです。そのために欠かせないことが「ヒアリング」です。
◉こちらの記事ではヒアリング時に必要な「上手な聞き方」についてお伝えしています!
⑤目標設定(2回目)
1回目の目標設定に対しての振り返りをした後に次週の目標設定を行います。
部下によっては同じ目標を継続することもありますし、新たな目標を立てることもあります。
週ごとでの目標設定を行う理由は部下のマンネリ化を防ぐためです。
1ヶ月通して同じ目標にすると後半になるにつれて意識した行動ができなくなったり、楽をしたいという気持ちが強くなってしまいます。
しかし1週間の目標設定ならば、この期間は集中力を切らすことなく最後まで目標を意識した行動ができるのです。
上司であるあなたは、部下のモチベーションを上げるということを念頭に置き、一人一人に合わせた目標設定を行なってください。
部下のモチベーションを上げるための重要ポイント
上記でお伝えした「部下のモチベーションを上げるための行動手順」を見てもらうと分かる通り、「ヒアリング」「目標設定」「承認欲求」のどれもが部下とのコミュニケーションをしっかり取っています。
この「部下とのコミュニケーションを取ること」こそが「部下のモチベーションを上げる」ための重要ポイントなのです。
と思っている方は、こちらがコミュニケーションを取れていると思っているだけで部下は同じように感じていないか、コミュニケーションの回数が少ない可能性があります。
目標設定に関しても、こちらが勝手に設定して伝え、指示を出し、部下に動いてもらうこともできますが、部下との温度差があり、そのような状態で部下のモチベーションを上げることは難しいでしょう。
ココがポイント
部下と単なるコミュニケーションを取るのではなく、本気で部下のことを考え、全力で一緒に取り組み、共に成長していくという気持ちで向かい合ってみてください。
あなたの気持ちが通じて、部下との信頼関係が築ければ、あなたのために部下も頑張ろうと積極的に行動してくれるはずです。
◉こちらの記事では、部下を育成していく上で実際に効果があった心理学テクニックをお伝えしています!
まとめ
今回は、部下のモチベーションを上げるために実際に効果があった方法の手順をお伝えしました。
①ヒアリング(1回目) ②目標設定(1回目) ③承認欲求 ④ヒアリング(2回目) ⑤目標設定(2回目)
これは私が部下のモチベーションを上げるために行った方法ですので、人によっては「意味が分からない」と思うかもしれません。
ですが私はこの手順を1週間ごとに繰り返すことにより、部下の立場になって物事が考えられるようになったのは自分としてプラス要素だと感じています。
店舗運営する中で私一人でできることは限られており、部下の助けがなければ売上は作れません。
それだけあなたが必要としている部下も人間です。テンションが高い時もあれば低い時もあります。気分が乗らずに接客がうまくいかないこともあります。
ココがポイント
上司であるあなたにできることは、部下がモチベーションを上げて楽しく仕事ができる環境を作り、この人たちと仕事がしたいと思ってもらえる最強のチームを作ることです。
部下のモチベーションを上げられずに悩んでいる上司の方は参考にされてみてください。
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。