今回は、部下の指導方法で悩む上司の人に信頼関係を築くために必要な「褒め方」についてお伝えします。
上司が部下との関係について悩むのはどの業界でもあることです。
毎日顔を合わせる部下であれば、いい関係であるに越したことはないですよね。
部下が男性、女性によって考え方も受け取り方も違うので、そういった所も意識して気をつけなければなりません。
そのようないろんなタイプの部下と関わることで、多くの事を学ばせてもらい、今の職場では22人の部下と良好な信頼関係を築けています。

普段から部下とコミュニケーションを取るのが苦手な人でも、マネージャーになったばかりでどうしていいのか分からない人でも「褒め方」のテクニックを知っておけば、部下との信頼関係を築くことはできます。
ですが、いくら部下と信頼関係を築きたいと思っていも、何も行動しなければ何も変わりません。時間が解決してくれるわけでもありません。
部下へ指導は、上司であるあなたがしっかりと行動で示していくべきではないでしょうか。覚悟が決まれば、あとは行動するのみです。
今回は「褒め方」にフォーカスを当てて、部下との信頼関係を築くために心がけるポイントをお伝えしていきます。
「褒め方」といってもバリエーションは豊富にあります。たくさん試したいからと、闇雲に褒めてもダメなことは分かりますよね?
褒めることに慣れていない上司がやりがちなのが、表面的に褒めることです。
ココに注意
「褒めておけば大丈夫」という安易な考えは捨てて下さい。
今回は「3つの褒め方」に限定してお伝えします。
褒めるのに慣れていない方は、この「3つの褒め方」だけを意識して、部下とのコミュニケーションを積極的に図って下さい。
この「3つの褒め方」を習得できれば
◆ 「部下との信頼関係を築くことができる」
◆ 「上司としてのスキルが上がる」
◆ 「上司としての評価が上がる」
◆ 「コミュニケーション能力に自信がつく」
◆ 「マネジメント力が身につく」
このように、今後もマネージャーとして働いていくためのスキルが多く身につきます。
ここまで読んで「自分にできるか不安」になっている人は心配はいりません。 あなたが心の底から本気で「部下との信頼関係を築きたい」と思っているのであれば「3つの褒め方」を通して、あなたの気持ちは必ず部下に伝わるはずです。
では、ここから3つの褒め方をお伝えします。
部下の指導で心がける褒め方①【成長を褒める】
あなたから見て、部下が成長したと感じた時には必ず褒めて下さい。そのためには、普段から部下のことを気にかけておく必要があります。
以前は私も、部下の成長を褒めることが上手くできずに苦労しました。
わざわざ部下の方から

と言ってくることは、ほぼ無いと思います。

では、部下のことを見るためにはどうすればいいのか?
そこで必要になってくるのが「アセスメントスキル」です。
アセスメントスキルとは?
「スタッフの能力」や「育成ポイント」を把握するスキルのことで、スタッフの特徴を日頃から観察することにより、的確なアドバイスが送れるようになります。
このアセスメントスキルを鍛えるためにまずやるべきことは、部下を観察してそれをメモに取ることです。
特に、部下の仕事上での特徴に注力して観察してみて下さい。
◆「接客のアプローチスピードが早い」
◆「作業効率を考えて仕事に取り組んでいる」
◆「常に周囲への気配りができている」
部下の特徴をいくつかメモに取ったら、その部分の成長を確認します。
例えば上記の「接客のアプローチスピードが早い」という特徴を見て、以前よりも成長したと感じる部分があればすぐに褒めましょう。
ここでの褒め方は「アプローチスピード」に関しての褒め方でもいいですし、アプローチを早くしないといけないという「意識の高さ」に関しての褒め方でもいいです。
ポイント
あなたから見て、部下が以前よりも成長していると感じた部分に対して褒めることが重要です。そして成長を褒める時に大切なのは、どれだけ具体的に褒めることができるかです。
あなたから見て成長したところを具体的に褒めることで、部下としても

と感じて充実感を得ることができます。
曖昧な褒め方ではなく、具体的な褒め方である方が心に響くということを意識して、これから部下の成長を褒めるようにしていきましょう!
◉「上司として部下の管理がうまくできない…」という人はこちらの記事をご覧ください!
部下の指導で心がける褒め方②【プロセスを褒める】
仕事において結果を出すことはとても重要ですが、そこだけで評価してしまうと結果を出せない部下のモチベーションは下がります。
そこで大切なのが「プロセス」です。
結果に至るまでのプロセスもちゃんと評価し褒めていきます。

購買心理8段階
【注目→興味→連想→欲望→比較検討→信頼→行動→満足】
この流れでアプローチを行い、商品提示、商品提案、クロージングなどの接客を行うのですが、ここでプロセス目標を設定します。
例えば「売上予算10万」が「結果の目標」であれば「20人のお客様におすすめの商品を提案すること」が「プロセスの目標」となります。
ポイント
プロセスを褒める時に大切なことは「部下の意識や考え方」を確認することです。
上記の「20人のお客様におすすめの商品を提案する」というプロセスの目標に対して、その部下はどのような考え方をもって接客をしているのかを確認します。
そこで明確な考え方が聞けたら、その考えをもとにちゃんと実行できたのかを再び確認します。
実行までできていたら、本人が感じた「良かった点」「悪かった点」を確認して、部下が「良かった点」として答えことに対しては同意しながら褒めましょう。
プロセスの褒め方の手順をまとめると
step
①任された仕事に対しての意識や考え方を確認する
step
②その意識や考え方をもとに、ちゃんと行動できたのかを確認する
step
③その行動を通して「良かった点」「悪かった点」を確認する
step
④部下が「良かった点」であげたことに対しては褒めて、「悪かった点」に対してはアドバイスを送る
ポイント
プロセスを褒めることの目的は、仕事に対して考えて行動するクセをつけさせるためです。
仕事において同じ失敗をするにしても「いろいろと考えて試行錯誤した上での失敗」と「何も考えずに行った上での失敗」とでは意味が違ってきます。
考えて仕事をするタイプの部下
例え失敗しても、何が良くて何が悪かったのかがちゃんと理解できています。ですので、今後同じ様なミスはしなくなり、さらに効率が良い方法を考え、業務スピードが早くなります。
考えて仕事をしないタイプの部下
失敗しても、何が悪かったのかが理解できていません。ですので、今後も同じ様なミスを繰り返す可能性があります。
ココが重要
自分で考えて仕事に取り組むことが如何に重要で、そうすることが自分の成長に繋がるということをしっかりと伝えてあげましょう。
そして、その伝えたことを理解して行動に移したら褒めてあげましょう。
上司であるあなたに褒めてもらうことで、部下の考えて仕事に取り組むことへの意識がより高まっていきます!
◉信頼関係を築くための具体的な方法についてはこちらの記事でお伝えしています!
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信頼関係を築くには?具体的な方法を解説!
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部下の指導で心がける褒め方③【将来性を褒める】
日々の努力の積み重ねが将来に繋がるということは部下も理解しています。ですが頭では理解できていても、目の前の仕事に精一杯で将来のビジョンまで描けていないかもしれません。
そこで部下を褒める際には、将来性のことに触れてモチベーションアップを図りましょう。

ポイント
将来性を褒める時には、それぞれの部下が何をモチベーションにして頑張っているのかを把握する必要があります。
私は定期的に面談する時間を作って、全員と話をするのですが、その中で将来的な目標や仕事に対してのモチベーションをしっかりと確認することが部下を褒める上で必要なことです。
将来店長を目指している部下
数値管理やリーダーシップ、マネジメントなどを意識させて、考え方や取り組み方を聞いた上で素晴らしいと思うところを褒めるようにしています。
新入社員で将来のことがはっきりとしていない部下
本人の強みの部分を見つけて、その強みを伸ばしていくことで将来の選択肢が広がるということを伝え、その上で強みの部分で素晴らしいと思うところを褒めるようにしています。
将来性を褒めるということは、部下の未来のことまで考えなければいけません。
そのためには部下がどこを目指しているのかを把握して、将来に不安を感じている部下がいるのであれば、こちらが本人の強みを教えて、目標を与えてあげるのも上司の仕事です。
部下の強みを褒めて

といったやる気に繋がる言葉をかけることことが信頼関係にも繋がってきます。
◉こちらの記事では、人材育成において役立つ心理学テクニックをお伝えしています!
この本では、部下・後輩指導に悩める上司や先輩の立場に立ち、 部下・後輩に必要なことはしっかりと伝えつつ、良好な人間関係を築くための 「ほめ方」が書かれています。是非とも参考にしてみて下さい!
まとめ
今回は部下の指導で心がける大切な【3つの褒め方】についてお伝えしました。
① 成長を褒める ② プロセスを褒める ③ 将来性を褒める
それぞれに褒め方、タイミングは違ってきますが、共通していえるのは
ココがポイント
「褒める」という行為は、部下に対して「私はあなたのことをちゃんと見ているよ!」と伝える意味合いがあります。
【褒められる=認められる】ということですので、褒めることで部下の承認欲求が満たされます。
表面的に褒めるのではなく、部下を観察して、しっかりと考え方を確認し、将来のことまで言及して具体的に褒めるからこそ信頼関係が築けるのです。
まずはこの3つの褒め方をあなたが意識して、ここぞというタイミングで部下を褒めてあげて下さい。あなたの部下に対する気持ちは必ず伝わります!
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。