何を指示しても言うことを聞かない部下がいます。
上司であるあなたは、この部下に対してどのような行動を取りますか?
①何を言っても無駄だから、なるべく関わらずに過ごす ②「仕事なので言われたことはちゃんとしてください」と注意する ③他の部下に仕事を振り分ける
このような行動を取ろうとした人は危険です。
①②③はどれもその場しのぎの対応であり、根本的な解決にはなっていません。
そこで今回は、将来的に良い職場環境にしていくためにも「言うことを聞かない部下への対処法と考え方」についてお伝えします。
言うことを聞かない部下になる原因
私の経験上、入社してすぐに言うことを聞かない部下に出会ったことはありません。
ですが、何ヶ月か働いて仕事にも慣れ、気持ちに余裕が出てきた頃から急に言うことを聞かなくなった部下はいました。
そのようになる原因についてお伝えします。
上司であるあなたに原因がある場合
部下が言うことを聞かなくなるのは、上司であるあなたが原因の場合があります。そして大抵の人は、まさか自分が原因だとは夢にも思っていません。
上司のことが尊敬できない
たとえ仕事がバリバリできても「常に威張ってばかり」「部下への態度が冷たい」「平気で悪口を言う」など、人間的に尊敬できないと感じる部分が多く、それが続くと言うことを聞かない部下になってしまいます。
と思われましたか?
大丈夫と思われている人の中には、これらのことを無意識に行っている人がいるのも事実です。
無意識だからこそ自覚がないのです。
注意ポイント
ですが、部下は上司の一つ一つの言動を見ています。ここにずっと気付けないまま時間が経っていくたびに、部下から尊敬されない上司へとなってしまいます。
上司の取り組み方に納得していない
部下には指示を出したり、指導したり、あなたなりの仕事の取り組み方をしていると思いますが、その取り組み方について部下にしっかりと伝えていますか?
例えば、業務の効率化を図るために新しい取り組みを行う際に
とだけ伝えていませんか?
注意ポイント
取り組み方の意図がしっかりと伝わっていないために、部下が納得できていない状態がずっと続いていくと、最終的には言うことを聞かない部下になってしまう可能性があります。
本人に原因がある場合
本人のこれまでの環境や考え方によって、自分自身が原因の場合があります。
被害妄想がある
本人のことを言ってるわけではないのに、自分のことを言われていると思い込む被害妄想タイプの人は言うことを聞かない部下になりやすいです。
と直接言ってくる人もいれば、勝手に思い込んだまま、突然言うことを聞かなくなる場合もあります。
プライドが高い
実力が伴っていないのにプライドだけ高いタイプの人は、注意されたことに対して反論できないので、せめてもの抵抗として言うことを聞かないという行為にでるのです。
転職で入社の場合、以前の職場では自分がトップでチヤホヤしてもらっていたのが、新しい職場では注意されることが多くなり、その現実を受け入れられないことが態度に現れる人もいます。
部下の管理が難しいと感じている人はこちらの記事をご覧ください!
言うことを聞かない部下への対処法
言うことを聞かない部下だからといって、放っておいてもプラスにはなりません。
しっかりとした対処することで部下をいい方向へと導くことができるのです。
ここではその対処法をお伝えします。
上司であるあなたに原因がある場合の対処法
自分に原因がある場合には、自分の努力次第で良い方向に変えていくことができます。
部下から尊敬される存在になる
部下から尊敬されるためには仕事面での頑張りはもちろんですが、あなたの人間性も非常に重要になってきます。
上記でお伝えしたような「常に威張ってばかり」「部下への態度が冷たい」「平気で悪口を言う」などの行動はもちろんダメです。
あなたが思う尊敬できる人物像のイメージはどんな人ですか?
私が尊敬できる人物像は誰からも好かれるような人で、以下のような特徴があります。
①誰に対しても笑顔で対応できる ②常に謙虚な態度 ③絶対に愚痴をこぼさない ④周囲への感謝の気持ちが強い ⑤基本的にはポジティブ思考
これらの行動を実行していくと部下の見る目も変わってきますので、尊敬される存在になれるように努力してください。
詳細についてはこちらの記事でお伝えしています。
部下も納得できるような取り組み方にする
部下への指示や新たな取り組み方を行う際は、具体的に伝えることを意識してください。
伝え方が抽象的だと、あなたと部下との間にズレが生じて、その結果お互いに不満が残ります。
なぜこの指示をだしたのか? なぜこの取り組みを行うのか?
についての「目的」「求める結果」「改善点」など、あなたの頭の中で考えていることを言語化して部下に伝えるようにしてください。そうすることで、部下も納得して指示に従ってくれるようになります。
本人に原因がある場合の対処法
上記でお伝えした「被害妄想がある」「プライドが高い」部下に対してどちらにも共通して言えることは、あなたと部下との間に信頼関係ができないということです。
接する回数を増やし、積極的にコミュニケーションを取る
部下との間に誤解が生じる原因は、信頼関係が築けていないことです。
そこで信頼関係を築くためにも、とにかく部下と接する回数を増やしましょう。
毎回毎回長く話し込む必要はなく、最初は軽い挨拶や声掛け適度で大丈夫です。
「今日も一日頑張ろうね!」 「何か困ってることあったら言ってね!」
大切なことは、接する回数を増やすことです。
これは「単純接触効果」という心理学の一つで効果はあります。
詳細についてはこちらの記事でお伝えしています。
本人にできそうな仕事を任せて頼りにしていることを伝える
プライドが高い部下に効果的なのが、頼りにしていることを伝えることです。
まずはその部下の得意分野を探して、その得意分野に関する仕事を頼みます。
頼んだ仕事が終わったら必ず褒めて、頼りにしていることを伝えます。
ポイント これをある程度繰り返したら、徐々に任せる仕事の量や難易度を上げていって、その部下のスキルアップを図りましょう。
そうすることで結果的にチーム全体の底上げにも繋がります。
言うことを聞かない部下への考え方
たとえ言うことを聞かない部下でも、ちゃんと向き合って育てていくのが上司の勤めです。
ここでは、言うことを聞かない部下への考え方についてお伝えします。
言うことを聞かない原因を勝手に決めつけない
言うことを聞かない原因がどこにあるのかを確認もせずに、勝手に本人の問題と決めつけるような対応をすると、その部下との関係は修復できないくらいに悪化します。
まずは、なぜ言うことを聞かなくなったのかを把握するために本人とコミュニケーションを取ることを心がけてください。
それが難しいのであれば、周りの部下から話を聞いて、原因を探りましょう。
考え方としては勝手に決めつけることなく、フラットな視点で物事を見つめることです。
言うことを聞かないからと諦めない
上司としては、言うこと聞かない態度を続けられると精神的にきつくなってきて最後には「もう放っておこう…」と諦めてしまいます。
ですが一人でもこのような部下がいると、そのチーム全体の雰囲気が悪くなる可能性が高いです。
しかも、上司が諦めたような姿勢を取ると、それを見ている周りの部下たちが「上司にも手に負えないってやばい…」と不安な気持ちが出てモチベーション低下につながる恐れがあります。
考え方としては、言うことを聞かない部下も周りと同じような扱いにして、一人だけが浮くような状況は作らないようにしてください。
まとめ
今回は、将来的に良い職場環境にしていくためにも「言うことを聞かない部下への対処法と考え方」についてお伝えしました。
言うことを聞かない部下になる原因 《上司であるあなたに原因がある場合》 ・上司のことが尊敬できない ・上司の取り組み方に納得していない 《本人に原因がある場合》 ・被害妄想がある ・プライドが高い
言うことを聞かない部下への対処法 《上司であるあなたに原因がある場合の対処法》 ・部下から尊敬される存在になる ・部下も納得できるような取り組み方にする 《本人に原因がある場合の対処法》 ・接する回数を増やし、積極的にコミュニケーションを取る ・本人にできそうな仕事を任せて頼りにしていることを伝える
言うことを聞かない部下への考え方
・言うことを聞かない原因を勝手に決めつけない
・言うことを聞かないからと諦めない
言うことを聞かない部下になる原因、対処法ともに、上司であるあなた自身の問題という場合もあります。
考え方として、勝手に決めつけるようなことはしないでください。
客観的な視点からどこに原因があるのかを見つけ出し、言うことを聞かない部下にとっても、周りの部下にとっても一番いい方法を見つけて対応してもらえれば大丈夫だと思います。
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。