商品を販売する上で苦手な人が多いのが「クロージング」です。
最初の声掛けから自然と話を聞き出し、お客様のニーズをつかみ、商品提案をしていく流れはスムーズなのに最後のクロージングがうまくできずに「また検討してから来ます」と断られた経験がある方は多いのではないでしょうか。
クロージングが苦手な人に理由を聞くと
◆最後に強く言えない
◆押し売り接客と思われそう
◆断られるのが怖い
など、ネガティブな意見が聞こえてきます。
ですが、このクロージングを改善すればその場での購入に繋げることができ、売上アップが見込めます。
では、クロージングがうまくなるためにはどうすればいいのか?
それは「真似」です。
クロージングがうまい人の真似から始めてください。繰り返すうちに接客の流れや言い回しなどが分かってきます。
ですので、あなたの周りにクロージングがうまい人がいれば観察してみてください。
もしそのような人がいない場合は、今回お伝えする「クロージングがうまい人の大事にしている5つのポイント」を読んで、自分に応用できそうな部分は取り入れてみてください。
では、ここから5つのポイントを順番に解説していきます!
今回クロージングする商品はこちらの毛皮のコート(¥220,000)です。
①体感した感想をお客様の口から話してもらう
金額を提示する前にまずは体感後のお客様の感想を聞きましょう。ここでいい反応があれば次の段階に進みます。
感想を聞く理由としては「一貫性の法則」という心理効果が働くからです。
「一貫性の法則」とは自分の言動や信念を一貫したいという心理効果のことで、この効果が働くと自分が一度口に出した言葉をすぐに否定するということはありません。
よって、商品を体感した感想を聞いた時に「暖かくて着心地が良い」とお客様に言ってもらうことで、お客様自身に改めてこの商品の良さを認識してもらうことができるのです。
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②金額提示
金額提示もただ口頭で
と伝えるだけではお客様には響ません。
必ず金額は用紙に書いてお伝えしましょう。聴覚だけではなく、視覚からの情報を入れることで五感を刺激できます。
その時も金額だけ書くのではなく
【期間限定商品】
【着心地No. 1】
【最高のシルエットが出せる】
など、さりげなくアピールポイントを入れることでこちらが言葉に出さずともお客様が用紙を見るたびにアピールすることができます。
さらに、もしサービス品として何かプレゼントできるものがあればそこは文字色を赤に変えて別の角度からアピールしていきましょう。
本日ご購入いただくと「カシミヤマフラープレゼント!」
③支払い方法の提案
上記で金額は用紙に書いてくださいとお伝えしましたが、支払い方法を提案する時も必ず用紙に書いてください。
特に商品が高額の場合は「分割払い」の支払い方法を提案することで「毎月このくらいなら自分にも払えるかも…」とお客様も購入することを現実的に考え出してくれます。
分割払いの提案方法ですが、3パターンの支払い回数の提案がおすすめです。
〈毛皮のコート 220,000円〉 ▪️6回払い 月々36,000円 ▪️12回払い 月々18,300円 ▪️24回払い 月々9,100円
このように用紙に書いて見せることで視覚からの情報によりお客様が頭の中で毎月支払う額をイメージしやすくなります。
そして支払い方法の選択肢を与えることでのメリットもあります。
「買う」or「買わない」という考えから「一括払い」or「分割払い」、更には「12回払い」or「24回払い」という風にスムーズに購入までの流れをつくりだすことが可能です。
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④断られた後の切り返し話法
支払い方法の提案まで行い、そこで購入まで繋がる方もいれば繋がらない方もいます。
商品が高額になるほどお客様も購入には慎重になりますので、その場で購入を決めていただくためにどう対応するのかがポイントです。
断られた後の切り返し方で「売上が作れる人」「売上が作れない人」に分かれます。
断られてまず確認することは「この商品を使ってみたいと感じているのか?それとも感じていないのか?」です。
注意ポイント お客様が商品を使ってみたいと思っていなければ購入まで繋げるのは難しいです。無理に販売してもお客様からすると「買わされた」という思いが強くなり返品になってしまいます。
お客様が商品を使ってみたいと感じてない場合は、その商品を使うことでの明るい未来が見えていない状態です。
このようなお客様には、この商品を使うことでの明るい未来をイメージさせるセールストークが必要となります。その方法についてはこちらの記事をご覧ください。
この商品を使ってみたいとは感じているけど購入しない方については、お客様の不安要素をヒアリングして一緒に解決策を見つけるという対応がおすすめです。まずは購入できない理由についてヒアリングしましょう。
よくある理由がこちらです。
・金額が高い
・すぐには決められない
それぞれの解決策
「金額が高い」と断られたら、普段どこに多くお金を使っているのかを聞き出します。例えばお客様の答えが「食費」だとしたら、その後に改めて分割払いを書いた用紙を見せながら
〈毛皮のコート 220,000円〉
▪️6回払い 月々36,000円
▪️12回払い 月々18,300円
▪️24回払い 月々9,100円
「すぐには決められない」と断られたら、すぐに決められない理由をヒアリングしましょう。お客様によって理由は異なります。
独身の方であれば自分だけで決めることはできますが、ご家族のある方は相談しないと決められないという方も多いです。
特に商品が高額であれば尚更相談が必要となるケースが増えます。そのような場合は改めてご来店の予約を取りましょう。
何もせずに帰すよりは、次のご来店予約を取った方がお客様も真剣に考えてくれますし、次の来店に繋がります。
「すぐに決められない」という断りに対してのその他の対応としては、今決めてもらうことと一年後に決めることでのお客様にとってのメリット、デメリットをお伝えするというのも効果的です。
・限定商品なのでこのようなデザインは今しか購入できない。 ・自分が本当に気に入ったデザインに巡り合うことは少ないので巡り合った時がおすすめ。 ・価格がいいので縫製もしっかりしており、長期間に渡って活躍してくれるアイテム。 ・デザイン性はおしゃれだが、トレンドに左右されないデザインなのでこの先何年も着ることができる。 ・冬用のアウターは今後購入する必要がないので、そこに費やす時間を自分の好きなことに充てることができる。 ・一年後は価格帯も上がっている可能性があるため、これだけ作りがいいものを一年後も同じ価格で購入できるかどうかが分からない。 ・これだけのいい商品を購入したら、着る機会を増やすために外出することが増える→外に出ることでたくさんの人との出会いのチャンスが生まれる→素敵な出会いや人脈が広がり、充実した私生活を送れる可能性が高まる。 ・いい商品を使うことは自分を変えるきっかけになる→今自分を変えるきっかけを作るのと一年後とでは大きな差ができている。
このように「すぐにら決められない」と断りに対してのフレーズをいくつかストックしておくと、その場でスムーズな対応ができるので、自分の言葉で考えておくことをおすすめします。
⑤使ってくださいと断言する
上記でお伝えした①から④までしっかり伝えることができたなら最後はお客様の背中を押す意味でも力強く「使ってください!」と断言しましょう。
「?」よりも「!」
よりも
です。
自信がない人のクロージングは最後の言葉に「?」が入っています。
自分の中で「このお客様には絶対にこの商品を使って欲しい」という強い気持ちがあり、上記でお伝えしたことができたならば「是非とも使ってください!」と断言しましょう。
上記でお伝えした①〜④のやり取りがしっかりとできていない状態で「是非とも使ってください!」と断言しても効果はありません。
そこの見極めは間違わないように気をつけてください。
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まとめ
今回は「クロージングがうまい人の大事にしている5つのポイント」についてお伝えしました。
①体感した感想をお客様の口から話してもらう ②金額提示 ③支払い方法の提案 ④断られた後の切り返し話法 ⑤使ってくださいと断言する
クロージングがなかなかうまくいかない人は一度この手順で行ってみてください。
私の経験上、高額商品ではスムーズに決まることの方が少なく、断られてからの対応力によって売れる人と売れない人に分かれます。
ただその時の売上が作ればいいという考えではなく、お客様の情報を聞き出してお客様一人一人にあった最適な提案をすることが重要です。
慣れてくるとどのお客様に対しても毎回同じようなクロージングになってしまうので、この記事を読んだ後に自分のクロージングを振り返るきっかけにしてもらえると幸いです。