私は20代の頃から店長をしていましたので、部下が年上というケースが多々ありました。当然私より販売経験も人生経験も豊富なので、マネジメントをする上で難しく感じることが多かったです。
皆さんの中にも「年上の部下がいて日々苦労されている…」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際にこのような声を聞いたこともあります。
ですが、このような考え方では年上部下をマネジメントすることなどできません。
そこで今回は、私が年上の部下に対して「実際に効果があった5つのマネジメント方法」についてお伝えしますので、参考にされてください。
①年上部下に頼る
私が店長に成り立ての頃は、自分が何でも指示を出し、積極的に販売して、とにかくお店を引っ張っていかなくてはならないと気負い過ぎていました。ですので、年上部下のアドバイスを聞き入れずに衝突することも多かったです。
そんなダメだった経験を経て、年上部下と上手にコミュニケーションを取るためには「頼る」ことが必要だと感じたのです。
そして、頼るために私が実践したことは「相談」です。
売上を取るための施策や、売り場のレイアウト、スタッフとのコミュニケーションの取り方など、細かいことまで相談して意見を求めるようにしました。
そうすると、これまでの経験を踏まえた上で客観的な立場から意見を言ってくれので、自分では気づかないことも発見でき、お店が良い方向に流れ出したのを実感できたのです。
皆さんも、職場で年上の部下がいるのであれば「相談」を持ちかけて、意見をもらうようにしましょう。
経験値があるからこその意見ですので説得力があり、あなたにとっても会社にとってもプラスとなるはずです
注意ポイント
一つ注意点を挙げるとすれば、年上部下に頼りすぎると、店長としての立ち位置がぼやけてしまいます。意見を求めるだけではなく、自分の考えもしっかりと伝えることが大切です。
お互いに、店舗を良くするための意見を出し合える関係になれば、それが周りのスタッフにも伝わり、良いチームワークが生まれます。是非とも「相談」をきっかけにした「頼る」コミュニケーションを図ってみて下さい!
アパレル業の人で、部下との関係性が悪く、年収も低いことで悩んでいるなら是非ともこちらの記事をご覧ください!
②年上部下に努力している姿勢を示す
年上部下の中には経歴がすごい人もいます。
実際に、私よりも大規模な店舗で店長をされていた人もいました。その人との経験の差は縮めることができませんが、店舗を任されているのは私なので、時には指導したり指示を出す必要があります。
皆さんも、中途採用で自分より凄い経歴の人が部下として入社してきたら、プレッシャーを感じるはずです。
そのような状況になったら、自分の現状をしっかりと見つめ直し、足りない部分を「努力」するようにしましょう。
ポイント
上司だからといって、無理に自分を大きく見せる必要はありません。今の自分にできる最大限の努力をして、その姿勢を年上部下に示してください。

信頼を得ることができれば、年上部下も協力的になり、店舗や部署の一体感も生まれます。
「部下を優秀な人材へと育てたい!」という人はこちらの記事をご覧ください!
-
部下の育て方で「優秀な人材にする」ためのマネジメント手法4選!
続きを見る
③年上部下に感情的にならない
以前一緒に働いていた年上の部下で、プライドが高く、自分は仕事ができると思い込んでいる人がいました。
その部下は、こちらのミスを見つけるとすぐに指摘したり、出された指示に対しては露骨に嫌そうな態度をとってきます。
年上部下のそのような態度があまりに酷かったので、私も怒りを露わにして注意したのですが、感情的になっている私は冷静さを欠き、伝えたいことを上手く言葉にできませんでした。
部下の方も感情的になっているので、結局お互いがスッキリしないまま、溝がより深まってしまったように感じたのです。
この一件で、感情的になることが大きなマイナスになるということを学びました。
それでも人間ですからイラッとしてしまうことはありますよね?
私はこのような経験を通して、多くの部下と仕事をしていく中で、自分がイラッとしやた場面に遭遇した時には
「店長である自分」
「一人の男である自分」
とに分けて、冷静に考えるようにしています。
「一人の男である自分」としては感情的になって、自分が思っていることをはっきりと伝えた方がスッキリしますし、満足感を得られると思います。
ですが「店長である自分」として考えた時に
「ここで感情的になり、はっきりと伝えることが、お店やスタッフにとってプラスにはたらくのだろうか?」
「その後の関係性や、他のスタッフに与える影響はどうなんだろう…」
と冷静な判断ができるようになりました。
ポイント
年上の部下に限らず、プライドが高くて扱いづらいと感じる人もいますが、どのような状況においても、決して感情的にならず冷静に対応することを心がけていきましょう。
部下に対してのイライラがストレスと感じている人はこちらの記事をご覧ください!
-
部下にイライラする人が明日から使える5つの対処法!
続きを見る
④年上部下を特別扱いしない
中途採用で年上の部下が入ってくることになり、その人の経歴がすごく、バリバリ仕事もできるとなれば、あなたはどういう対応を取りますか?
年上ということで気も遣いますし、バリバリ仕事ができる人という目で見てしまい、簡単な仕事は若い社員に任せて、その人には特別な仕事をお願いしたりしていませんか?

それまでは、部下が年下のスタッフだけでしたが、中途採用で自分より年上の人が部下になり、気がつけば自然とその年上スタッフを特別扱いしていました。
私自身にそのような感覚はなかったのですが、周りのスタッフから

という声が挙がりだしたのです。
結果的に私の対応が良くなかったことでお店の雰囲気も悪くなり、売上も落ちていって、そのとき改めてマネジメントの難しさを感じました。
そして自分が思っている以上に、部下達は店長としての行動を見ていると実感したのです。
注意ポイント
あなたが責任ある立場なら、一人の部下だけを特別扱いすることは避けましょう。必ず平等にするということは難しいでしょうが、年上でも年下でもベテランでも新人でも、部下一人一人への気遣いは欠かさないようするべきです。
部下の育成で悩んでいたら、こちらの記事でお伝えしている手順通りに試してみてください!
⑤年上部下に責任の重さを伝える
年上の部下がどれだけ仕事ができて経歴が凄くても、上司であるあなたの方が責任のある立場だということを伝えましょう。
会社から役職ある立場を任された時点で、会社はあなたを信頼して選任しています。
ポイント
何か問題が起きた時に責任を取るのは上司であるあなたです。その自覚を持ち、何かあった時にしっかりとした対応ができれば、年上部下もあなたのことを認めて信頼関係を築いていけるはずです。
上に立つ立場の人間として「責任感」は強く持ち続けましょう。
この本では、年上の部下への基本的な接し方から、様々なシチュエーションにおける扱い方を徹底網羅。仕事を熟知した貴重な戦力をどうすれば活かしていけるのかについて書かれているおすすめの一冊です。
まとめ
今回は年上の部下に対して「実際に効果があった5つのマネジメント方法」についてお伝えしました。
自分の方が年下だけど、ポジション的には上司という立場は難しい面もあります。ですが、マネジメントをする上で年上年下は関係ありません。
部下一人一人に合わせた接し方でコミュニケーションを取り、チームとして円滑に仕事に取り組める環境を作ることが大切です。
①相談して頼る
②努力している姿勢を示す
③感情的にならない
④特別扱いしない
⑤責任の重さを伝える
こちらの5項目を意識して、年上の部下とも上手にコミュニケーションを取ってください。
年上部下が率先して動いてくれることで、若い社員の刺激にもなり、全体が良い方向に進んでいきますよ!
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。